東京と大阪で開催している手技セミナーの内容と人体の考察

2016年12月のセミナーは大腿四頭筋の緊張を調整する手技を行いました

2106年12月4日に開催したセミナーでは、大腿四頭筋とハムストリングスの緊張差を左右で比較し、緊張した側の大腿四頭筋の弛緩を目的とした手技をテーマに行いました。

今月から新しく参加された方がいたので、手技はもちろん、左右差を比較する検査にも時間を取って解説しました。

大腿四頭筋とハムストリングスのバランスを取る

今回の手技の目的は、大腿四頭筋とハムストリングスの緊張差を整えてバランスを取ることにあります。

大腿四頭筋とハムストリングスは、膝関節の屈曲・伸展に働く筋肉ですが、同時に立位時の重心に大きく関与する筋肉です。

この筋肉に前後差・左右差があると身体の重心はどちらかに傾き、うまくとることができません。

大腿四頭筋が優位かハムストリングスが優位かを検査する

手技をかける前に、大腿四頭筋の緊張がどちらが強いかを判断するために、他動的な検査を行います。

それと同時に、拮抗筋であるハムストリングスの緊張がどちらが強いかも知ることができます。

大腿四頭筋の左右の緊張は、筋肉を他動的に伸長させて抵抗感の強い方が大腿四頭筋緊張側として捉えることができます。

反対に抵抗が弱く大腿四頭筋がスムーズに伸長される方が、相対的に弛緩している側とすることができます。

そうなると、その拮抗筋であるハムストリングスは、全く逆の緊張差があると考えることができるので、この情報も手技の前にチェックしておきます。

膝関節の伸展に作用する筋肉についてはこちら

緊張した大腿四頭筋を伸長することで弛緩を狙う

左右のどちらが大腿四頭筋が緊張しているか判断することができれば、いよいよ手技に入ります。

緊張している大腿四頭筋の緊張を取り、ハムストリングスとの緊張差を無くすことで、屈筋と伸筋のバランスが整い、左右の緊張差も同時に整うので、重心が前後左右にぶれずに身体の中心にキープしやすくすることができます。

股関節・膝関節・足関節を同時に操作する

大腿四頭筋を効果的に伸長させるためには、膝関節の屈曲だけでは不十分です。

特に大腿四頭筋が緊張している側の下肢は、同時に強調する筋肉も反対側に比べて緊張している傾向にあります。

そのため、股関節・膝関節・足関節を同時に操作し、大腿四頭筋がより伸長する様に関節を動かしていきます。

3つの関節をうまく連動して操作することができれば、少ない可動域でも十分に大腿四頭筋に伸長の刺激を与えることが可能です。

膝関節の可動域が広く、大腿四頭筋が伸長しにくい患者さんにこの手技をかける時も、この3つの関節の動きをしっかり出すことができれば、十分に大腿四頭筋を伸長させることができます。

大腿四頭筋を弛緩させる手技のまとめ

手技をかける前に、大腿四頭筋の緊張差をしっかりと判別することができれば、膝の痛みを訴える患者さんに使うこともできますし、腰痛などで体の重心が偏っている場合にも、とても有効な手技です。

この手技をかけるポイントは、3つの関節をうまく動かすことですが、同時に難しいポイントとも言えます。

大腿四頭筋に余分な刺激を与えず、純粋な伸長刺激を与えるためには、股関節・膝関節・足関節の軸をしっかりと捉え、関節の捻りや、軸のずれを起こさないように操作することが重要です。

また、大腿四頭筋をメインに考える手技とはいえ、大腿四頭筋と強調して働く股関節の屈筋群や、足関節の背屈筋など関連する筋肉も同時に動かしているとイメージで手技をかけることも大切です。

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