東京と大阪で開催している手技セミナーの内容と人体の考察

2018年1月の大阪セミナーは椎間関節にアプローチする手技をテーマに開催しました

2018年1月14日に、大阪上本町で開催した手技セミナーは、椎間関節にアプローチする手技を行いました。

バランス療法の手技は、基本的に四肢の筋の左右差を調整する手技が多いのですが、今回の手技は体幹にアプローチする手技です。

筋肉の左右差を比較する検査が不要でかけることのできる手技ですが、セミナーでは施術の前後で身体がどのように変化したかを必ずチェックするようにしました。

椎間関節の動きを他動的に促す手技

上下の椎骨で作られる椎間関節は、全体では大きな可動域を持ちますが、1つ1つの関節の動きはわずかなものです。

しかし、その1つ1つの動きが得られなければ、結果的には脊柱全体の可動域は十分に得ることができません。

また、椎骨にはそれぞれ脊柱起立筋が付着していて、姿勢の保持や運動に大きく関与しています。

そのため、日常生活の姿勢や運動によって、筋の作用に左右差が生まれ、椎間関節の動きに偏りが出てしまいます。

今回の手技は、この椎間関節に対して、主に回旋運動を供給し、左右の回旋に偏りのない、均等な動きができることを目的に行います。

棘突起を挟み左右に動かす

手技の手順としてはシンプルで、棘突起を両手の指腹で挟むように把持して、左右にゆっくり動かします。

持っている椎骨を動かすというよりは、持っている椎骨を中心として、上・下半身を動かすというイメージを持って行います。

持っている椎骨だけを動かそうと思っても、椎間関節の特性上、動きをつけることは難しく、十分な他動運動を供給することができません。

反対に、持っている椎骨はあまり動かさずに、そこを起点として身体全体を動かすことがこの手技のポイントです。

腰椎から頚椎まで順番に動かしていく

今回の手技は、腰椎から頚椎まで順番に棘突起を持って動かしていきます。

1つ1つの椎間関節を動かしていくイメージを持ちながら、徐々に術者の身体を移動させて、手技をかけます。

この時、できるだけ身体の中心に両手が位置するように、身体のポジションに注意しましょう。

腰椎部分は棘突起が把持しやすいですが、胸椎部分に移行すると構造上棘突起が把持しにくくなります。

ですが、胸椎部分が最も回旋運動をおこしにくい場所であるため、しっかりと把持して動きを付けてあげることが重要です。

頚椎部分は、当然上位頚椎を触っていくことができないので、下位〜中位頚椎まで動かせして手技を終了します。

もちろん、腰椎部分だけや、胸椎部分だけという様に、アプローチしたい部分を切り分けて手技を行うという使い方も効果的です。

椎間関節にアプローチする手技のまとめ

実際の現場では、この手技の後に変化を確認することは少ないですが、セミナーでは手技のあとに、筋のバランスが変化したかどうかを確認します。

うまく椎間関節を左右均等に他動運動ができれば、脊柱起立筋をはじめ左右の筋の働きが均等になり、結果的に全身のバランスにも変化が起こります。

色々な身体にこの手技を実践してみると、下位腰椎が右側に回旋している・胸椎部分の可動が極端に悪いなど、手技を行いながら様々な情報を得ることができます。

四肢からアプローチする他の手技と組み合わせながら、効果的に使っていきましょう。