東京と大阪で開催している手技セミナーの内容と人体の考察

2026年5月のセミナー – 殿部からの調整

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2026年5月のバランス療法セミナーは『殿部からの調整』という手技をテーマに開催しました。

殿部からの調整は、股関節外旋に作用する筋肉の緊張を弛緩させる目的で行う手技です。

L4を固定しつつ、殿部からアプローチする手技で、腰部・骨盤・股関節に関わる筋のバランスを整えて安定させることができ、腰痛や股関節痛をはじめ、多くの症状の訴えに効果的な手技です。

股関節と膝関節の検査で左右の緊張差を調べる

バランス療法は、手技の前に必ず全体の筋骨格系を調べる検査を行います。

その検査によって、身体の状態を把握し、施術の組み立てを行います。

セミナーでは、施術全体ではなく1つの手技をテーマに開催するため、今回の手技をかけるために必要な検査を復習しながら、受け手の筋肉の左右差を調べていきます。

今回の殿部からの調整には、股関節内外旋の緊張差と、下肢の屈伸筋群の左右差の働きがどうなっているかという情報が必要です。

慎重に他動的な可動域検査を行い、手技をかける側と下肢のポジションを決定します。

股関節検査

他動的に股関節を動かし、可動域の左右差を調べます。

股関節を外旋させたときに「可動域が大きい側」が、股関節外旋筋の過緊張側と判断します。

殿部からの調整は、この可動域の大きい側(緊張側)に対して行います。

膝関節検査

続いて膝関節の検査を行い、手技をかける側の”反対側の下肢の位置”を決めます。

膝関節検査で屈曲の制限が見られる場合、手技をかける前にその下肢を開いた状態でセットすることで、骨盤の位置を整え、手技が効果的にかけられるようにします。

膝関節検査で屈曲可動域が大きい側の場合は、下肢を開かず自然な伏臥位で手技を行います。

殿部からの調整の手順

検査と下肢のポジション設定が終わったら、以下の手順で手技を行います。

  • 術者は受け手の腰部に跨るようなポジションを取る
  • 片方の手の示指と母指を使い、受け手の第4腰椎の両側を挟むようにセットする
  • 反対側の手の母指を使い大殿筋の押圧ポイントを探してセットする
  • 受け手の呼吸とタイミングを合わせてL4の両側と殿部の押圧ポイントに同時に圧を加える
  • 4〜5回ほど呼吸を待ちタイミングを合わせて圧を離す

術者の身体の使い方

殿部からの調整は、ソフトな刺激がメインのバランス療法の手技の中では、比較的しっかりと圧刺激を与える手技です。

とはいえ、手技は手指の力だけで行うと、受け手にとって刺さるような点刺激になり、目的の筋肉を弛緩させるどころか緊張して収縮させてしまいます。

殿部からの調整を効果的に行うためには、力任せに押すのではなく、術者自身の「ポジショニング」と「身体の連動」を意識して、全身の力を使って面で刺激を与える必要があります。

受け手と術者のラインを揃える意識

今回のセミナーでは、術者のラインと作業するラインを揃えるというポジショニングの重要性について、新たにお伝えしました。

術者の前額面上のラインを、いかに作業するラインに沿ってポジショニングが取れるかと意識することで、手技の入りやすさが全く異なります。

殿部からの調整では、L4と殿部の中心を結んだ斜めのラインに対して、術者が平行にポジションを取ることで、自然とL4を抑える上肢、殿部を抑える上肢のセッティングが無理なく行えるようになります。

これは他の手技でも応用できるポイントなので、常に受け手と術者のポジションの関係、そしてこれから操作する関節や、抑える部位の作業するラインを意識して、手技に取り組むことが大切です。

手技のまとめ

バランス量の手技は、全て全身の骨格・筋肉の対称性を整える手技です。

ですが、臨床においてはどの筋肉、どの神経系からのアプローチがより効果的か?を考える必要があります。

今回の手技は腰痛や坐骨神経痛など、症状が出やすい部分にアプローチできる手技なので、痛みが出ないことを確認しながら積極的に使っていきましょう。

また股関節に運動制限があり、通常の殿圧など股関節の操作を伴う手技がかけにくい、変形性股関節症の症例などに対しても使いやすく、非常に有効です。

押圧するポイントに痛みが出ている場合もあるため、受け手の状態に合わせ、ポジショニングと全身との連動を意識した、効果的かつ優しい圧で手技がかけられるように意識しましょう。

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